1. 車の修理で保険を利用する前に知っておきたい基本ポイント
自動車保険を利用して修理費用をまかなう際には、まず「保険が適用されるのか?」という点を正しく把握する必要があります。
特に、事故発生時にどのような保険種目でカバーされるのか、保険料はどのくらい上がるのかといった疑問は多いです。
ここでは基本的なポイントを整理し、保険を使うメリット・デメリットを理解していただきます。
1-1. 自動車事故や故障時に保険が使えるケースと使えないケース
自動車保険には大きく分けて「対人賠償保険」「対物賠償保険」「車両保険」「人身傷害補償保険」などがあります。 その中で「車両保険」は自分の車の修理費用を補償してくれるもので、事故や自然災害、盗難などに対応するケースが多いのが特徴です。 保険が使える代表的なケース 他車との接触事故(自損事故・もらい事故どちらも含む) 飛び石によるフロントガラス破損 台風や雹(ひょう)、洪水などの自然災害による被害 盗難やいたずらによる損傷 火災や爆発による焼失、損傷 保険が使えない(使いにくい)ケース 経年劣化や通常の使用による故障(エンジンやブレーキの摩耗など) 故意や重大な過失による損害(飲酒運転や無免許運転など) 保険証券記載の補償範囲外の損害 車検切れ状態や車両管理義務違反など、契約約款上で免責に該当する場合 ただし、保険会社や契約プランによって補償範囲は異なります。車両保険でも「一般型(フルカバー型)」や「エコノミー型」など補償範囲に差があるため、契約内容を確認することが重要です。
参考
・日本損害保険協会「自動車保険の補償内容」
・各損保会社の車両保険約款
1-2. 車修理の費用を保険で賄うときの流れ・手続き方法を詳しく解説
保険を使って修理をする際の一般的な手順を示します。
事故の場合でも故障の場合でも、保険会社に連絡し、指示を仰ぐことが基本です。
事故・損害の発生
他車や障害物に衝突、飛び石による破損など
事故の場合は警察への届け出が必要(道路交通法第72条)
保険会社へ連絡
事故日時や状況、損傷箇所などを具体的に伝える
被害者や相手車両の情報がある場合は、その情報も共有
修理工場の選定
保険会社の提携工場に依頼すると手続きがスムーズ
自分で指定した工場も利用可能だが、保険会社によっては提携外工場での修理費の立替や見積もりの確認に時間がかかる場合がある
損傷箇所の見積もり・保険会社の査定
修理工場が見積書を作成し、保険会社に提出
保険会社は見積もりを査定し、支払い限度額を確定
修理費用の支払い
「エコノミー型」や「免責金額」が設定されている場合は自己負担額が発生
多くの場合、修理費用は保険会社が直接修理工場へ支払いする(「直接請求方式」)
修理完了・車両引き渡し
修理完了時に自己負担金(免責額など)を支払う
保険会社とのやり取りを修理工場が代行してくれるケースもあるので安心
保険を使うときは「警察への届け出」「保険会社への連絡」「修理工場での見積もり」「保険会社の確認」が最低限の流れになります。とりわけ、事故を起こした場合は早めの警察連絡を怠ると、後に事故証明書が取得できず保険金請求が認められないケースもあるため注意が必要です。
1-3. 保険を利用した場合に発生する等級ダウンと保険料増加の仕組み
車両保険を含む任意保険には「ノンフリート等級」という仕組みがあり、事故などで保険を使うと、翌年以降の等級が下がって保険料が上がります。一般的な仕組みは以下のとおりです。 等級ダウン事故 車両保険を使うと「1等級ダウン事故」もしくは「3等級ダウン事故」に該当することが多い 衝突事故などは3等級ダウン、飛び石・ガラス破損程度であれば1等級ダウンとなるのが一般的(※詳細は保険会社・契約内容による) 保険料への影響 たとえば、13等級(事故なし)の状態で3等級ダウン事故を起こすと翌年は10等級へ下がり、さらに事故あり係数が適用される これにより、翌年度以降の保険料は大幅に増加する可能性がある 事故有係数適用期間 過去に事故で保険を使うと、一定期間(3年〜5年程度)保険料割引が通常よりも低くなる仕組み そのため、大きな修理費用を保険で払っても、長期的には保険料が割高になる場合がある 参考
・日本損害保険協会「ノンフリート等級制度の仕組み」
2. 気になる車両保険の補償内容と適用範囲を分かりやすく紹介
ここからは、車両保険の具体的な補償範囲について解説します。 軽微な傷から自然災害による大きなダメージまで、どこまでカバーされるのかを理解しておくと、いざというときに迷いません。
2-1. 擦り傷や飛び石、ガラスのヒビなど小さな損害にも保険は使える?
結論から言うと、小さな損害でも車両保険を使うことは可能です。ただし、以下の点に注意してください。 車両保険のタイプ 「一般型(フルカバー)」であれば、自損事故や擦り傷程度の損害もカバーできることが多い 「エコノミー型」だと、自損事故や単独事故は補償外となる場合がある 免責金額 たとえば免責金額が5万円に設定されている場合、修理費が5万円以下なら保険金が支払われない フロントガラスの交換費用は車種にもよるが8万〜15万円程度が一般的とされ(※修理工場の見積もり調査ベース)、飛び石でのヒビが大きい場合は十分保険を使うメリットがある 等級ダウンによるデメリット 小さな修理で保険を使うと、翌年以降の保険料増加リスクが高まる
そのため、修理費が免責金額を超えたとしても、よほど大きな額でなければ実費負担にとどめた方が最終的に得になることも多い
2-2. エンジン故障や水没、雹害の修理費用を車両保険でカバーできる?
エンジン故障
一般的に、経年劣化や整備不良によるエンジントラブルは車両保険では補償されません
ただし、大雨による冠水や水没でエンジンが壊れた場合などは、自然災害として車両保険が適用されるケースがある
水没・冠水
台風や集中豪雨など、自然災害に起因する場合は車両保険(一般型)で補償されることが多い
車両保険で対応できるかどうかは契約プランの「車対車+A(エコノミー型)」や「一般型」などで異なるため要確認
雹(ひょう)害
雹が降ってボディがへこんだ場合や、ガラス割れした場合などは自然災害として補償範囲に含まれる場合が多い
修理費用は10万円以上になるケースも少なくありません(※国土交通省の自動車整備工場への調査データより推計)
いずれにしても「自然災害による損害」が契約プランに含まれているかどうかがポイントです。車両保険の「車対車+A」でも、台風・洪水・雹害は補償される一方、自損事故は対象外となるのが一般的です。
2-3. 自分で車をぶつけた場合の修理に車両保険を使う時の注意点
自損事故の修理費を車両保険で賄うこともできますが、以下の注意点を押さえましょう。 フルカバー型が前提 自損事故に対応するには「一般型(フルカバー型)」への加入が必須 「エコノミー型(車対車+A)」は他車との衝突が条件となるため、自分でガードレールや壁にぶつけた損害は補償されないことが多い 保険料アップのリスク 自損事故は3等級ダウン事故として扱われるケースが多く、翌年度以降の保険料増加の影響が大きい 免責金額との兼ね合い 免責金額5万円と設定されている場合、修理費が20万円なら実際に受け取れる保険金は15万円程度
この場合、次年度以降の保険料アップをトータルで考えると、使わない方が得になる場合もある
3. 車両保険を使うべきか迷ったときの判断基準と役立つポイント
ここでは「修理費が高額になりそうだけど、保険を使うと保険料が上がる…どうしたらいいのか?」といった迷いを解決するポイントを整理します。費用対効果や免責金額の設定など、押さえておくべき判断材料は多岐にわたります。
3-1. 修理費用がいくら以上になったら保険を使った方がお得なのか?
保険を使うべきかどうかは「修理費用」と「翌年以降の保険料アップ分の合計」を比較して判断します。一般的には、修理費が10〜15万円程度を超えるなら保険を使った方がトータルでお得になる可能性が高いとされます。 ケーススタディ 修理費用が20万円、免責金額5万円の場合、受取保険金は15万円 翌年以降の保険料アップが3年間で合計8万円程度になると見積もった場合、実質的には7万円ほど得をする計算 修理費が10万円以下であれば自己負担した方が最終的には安く済むことも多い この「10〜15万円以上」というラインはあくまでも目安であり、自分の契約条件(等級、免責金額、車両の時価額など)や、事故の形態(1等級ダウンか3等級ダウンか)によっても大きく変動します。必ず保険会社やディーラー、修理工場などで見積もりを取り寄せ、試算してもらうと安心です。 参考
・JAF「自動車の修理費用に関する統計」
(※JAFが公開する具体的な修理費統計は限定的ですが、平均的な軽微修理費用の調査などは参考になります)
3-2. 少額修理では車両保険を使わず実費で負担する方が良い理由とは
等級ダウンによる保険料の値上がり 小さな傷や軽微な凹みで保険を利用すると、翌年以降の保険料増加が修理費より高くつくリスクがある 事故有係数の適用期間 一度でも保険金を受け取ると「事故有係数」が適用され、割引率が下がってしまう期間が数年続く この数年分の合計金額を考慮すると、数万円程度の修理費なら実費で払った方が結果的に安くなることが多い 手続きの手間 保険を使うには、事故証明や見積書提出などの手続きを踏む必要がある
それにかかる時間や労力を考慮すると、少額修理なら自己負担してしまった方が早く済む
3-3. 免責金額の設定でお得に保険料負担を軽減するテクニックを解説
車両保険には、多くの場合「免責金額」を設定できます。免責金額とは、事故時に自己負担する金額のことで、たとえば「5万円」「10万円」と設定されるケースが一般的です。 免責金額を高く設定すると保険料は安くなる 免責金額を0円にすると万が一のときの自己負担はゼロですが、保険料が高額化する 一方、免責金額を5万円や10万円に設定すると、保険料が大きく下がる 年間保険料が1〜2万円単位で安くなる場合もあるため、保険を頻繁に使わない方には有効な方法 推奨される免責金額の目安 小さな傷なら実費負担するつもりで、ある程度の大きな損害(10万〜20万円以上)が出た場合だけ保険を使いたい方は「免責金額5万円以上」に設定しておくとメリット大 ただし、新車や高級車の場合は慎重に 修理費が高額になりがちな新車・高級車は、万が一の自己負担額が大きくなるため、免責金額を低めに設定する場合が多い
自分の車の時価や使用状況を考慮して設定しましょう
4. 車修理時、保険会社への連絡から修理完了までの安心マップ
実際に事故を起こしたり、車にダメージを受けたりした場合、どのように動けばよいのかを「安心マップ」としてまとめます。特に初めて事故を経験する方は、パニックになりがちですので、落ち着いて必要なステップを踏みましょう。
4-1. 事故発生後、保険会社への迅速な連絡方法と必要書類の準備手順
安全確保と警察への連絡(事故証明の取得) まずは負傷者の救護や二次被害の防止が最優先(道路交通法第72条の義務) 必ず警察へ通報し、事故証明書の発行手続きをしてもらう 保険会社への連絡 24時間対応の事故受付ダイヤルがある会社が多い 「契約者氏名」「車両ナンバー」「事故発生日時・場所」「事故の概要」「相手情報」など、可能な限り具体的に伝える 必要書類の準備 事故証明書(後日でも可) 車検証、運転免許証、保険証券(または証券番号) 損害の状況が分かる写真(スマートフォン等で撮影) 修理工場との相談・見積もり取得 保険会社やディーラーの提携工場での修理手配を進める 修理費用の見積書は保険会社に回して査定してもらう 保険金請求と支払い手続き 修理費確定後、保険会社からの保険金支払いを待つ 免責金額分など自己負担がある場合は工場で支払うか、保険会社へ直接支払う この流れを押さえておけば、事故後の対応がスムーズになります。特に「警察への連絡」を怠ると事故証明書が取得できず、保険金請求ができないケースもあるので要注意です。
5. 車の修理費用を保険でカバーする時の注意点と正しい活用法まとめ
最後に、車両保険を使って修理費を賄う際に押さえておくべきポイントと、トータルでお得になる活用法をまとめます。 契約内容を事前にチェック 車両保険の「一般型(フルカバー)」なのか「エコノミー型」なのか、免責金額はいくらか、特約はどうなっているのかを把握しておく 自然災害や盗難被害への補償が含まれているかも確認 修理費と保険料アップのバランスを計算 修理費が軽微の場合は実費負担も視野に入れ、トータルコストのシュミレーションを行う 保険会社やディーラーに依頼すると簡単に概算を試算してくれる場合が多い 免責金額の設定で保険料を節約 保険を頻繁に使わないなら、免責金額を上げて保険料を下げる手段が有効 自分の車の価値や修理費用の相場を踏まえて最適な金額を選択 事故対応はスピーディーに 警察への届け出、保険会社への連絡が遅れるほど手続きが複雑化するリスクが高まる 事故証明書がないと保険金請求が認められにくい場合がある 長期的な視点を忘れずに 事故有係数適用期間での割高保険料など、数年先まで見据えたトータルコストを検討する 保険の使用が本当に得策かどうか、数字ベースで比較検討するのが賢明 事故や故障はいつ起こるか分かりませんが、だからこそ日頃から「車両保険をどう使うか?」「修理費はどの程度かかりそうか?」といったシュミレーションをしておくことが大切です。適切な保険の活用で、万が一の出費を抑え、安心・安全なカーライフを送りましょう。弊社、Garage Hama 浜鈑金では高品質な鈑金塗装をはじめ、車検やメンテナンス、カスタマイズなど、幅広く対応いたします。(https://garagehama.com/service/)ご自身で購入されたバッテリーやタイヤ、カスタムパーツなどを取り付けてほしいというご要望にもお応えしておりますので、ご遠慮なくご相談ください。修理中は無料の代車をご用意いたします。
有限会社 浜鈑金工業所
住所:神奈川県藤沢市西富678
電話番号:0466-23-0473
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